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【感想】天気の子

 

なんとなく見返してみました。地上波初放送というタイミングが良いと思ったし、見返すうちに以前よりずっと楽しんでいる自分がいることに気づきました。

劇場公開時は、やっぱり楽しめなかった。

君の名は。」と比較してテンポの悪い映画だと思います。でもそれ以上にテーマがきつい。家出した高校生が、家出した高校生を雇うようなまともとは言えない大人と出会い、そして親のいない姉弟と出会う。そしてその姉は、人柱として消えてしまう運命にある。ただでさえ貧困という厳しい現実があるにも関わらず、都市内部で展開される神話さえ主人公たちに牙を剥く。あまりに意地が悪い物語に思えました。

それが社会のすべて、とは思いません。しかし社会の一面を描いているとは思います。その制作の姿勢が、社会の片隅でのんきに生きる自分にとって、居心地の悪いものに見えたのです。別に自分や自分の周囲にいる人間が、正しさを纏っている人間だとは思わないです。須賀は、この物語において一番どうにもならない、ある意味2人目の主人公といえる人物です。そして僕自身、須賀に対して胸を張って生きれるような生き方をしているとは言えません。

でも、それでも、冒頭において須賀が高校生である帆高に飲食をたかり、そして法外とも言える労働条件で働かせ、そして都合が悪くなると切り捨てるその行為はやはり許せるものではないのです。その後、そのそれらを帳消しにする勇気を見せたとしても。

本当に意地が悪い、そう思いました。

ですが救いもありました。それを象徴するのが帆高であり、夏美なのかなあと思います。キッズ・アー・オールライト。キッズと呼ぶには年を取りすぎているけど。でも夏美が社会より友人を選び、穂高が神話に反旗を翻す様は痛快でした。しかしそんな帆高も社会には最後は屈するわけだけど。

現代の都市で神話が展開するあたりは「ハリー・ポッター」、クライマックスの選択は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」、それら以外にも村上春樹1Q84」に近いものを個人的に感じました。もう一度観たら案外好きに慣れる気がします。